いよいよ今年7月の発行開始を控えた新一万円札の顔、渋沢栄一。
僕の地元深谷市は渋沢栄一が生まれ育った場所であり、2019年に新一万円札の肖像に選ばれて以降、これまで以上に渋沢栄一を推しております。
そんな深谷市にある「渋沢栄一記念館」を去年訪れたときのレポートを交えて紹介します。
個人的には渋沢栄一がどんな人物か少し知ってから行くのがオススメです。
渋沢栄一記念館について
「渋沢栄一記念館」は深谷市にある渋沢栄一に関連する博物館です。
渋沢栄一ゆかりの資料を多数展示しており、人物を学ぶことができます。
また本人に似せたアンドロイドによる講義を聞くことができ、渋沢栄一の思想を伝えてくれます。
アンドロイド講義の予約は2日前までに
渋沢栄一アンドロイド講義は事前予約が必要になります。
予約は深谷市ホームページ内の予約ページから。
2日前までの受付になりますが、実は当日空きがあれば現地で予約することもできます。
ですが団体での利用もよくある施設なので可能なら予約した方がいいです。
今回は9時半の回を予約しました。
受付〜館内の様子
渋沢栄一記念館は公民館と同じ建物になります。
入り口入ってすぐ正面に受付があり、ここで簡単な説明を受けます。
アンドロイド講義を事前予約したことを伝え、チケットを受け取りました。
前述のとおり、事前予約しなくても空きがあればここで予約してチケットを受け取れるようです。
ちなみに館内の写真撮影の可否について聞いたところ、基本的には可能ですが資料室と資料室手前の映像資料は撮影禁止だそうです。
9時10分頃に入場。アンドロイド講義の時間まで20分程度時間があったので、映像資料を観ていればちょうどいい時間になると案内してくれました。
館内は八基公民館と共同になっているので、建物の割には記念館の面積は広くありませんが吹き抜けになっており開放的なつくりです。
受付の左側が資料室の入り口になっており、記念館は主にここと2階の講義室がメインになります。
映像資料「渋沢栄一物語」
映像資料は渋沢栄一の生涯を簡単に解説したもの。約20分ほどの動画です。
受付と資料室の近くに映像鑑賞のスペースがあり、椅子も7〜8名分くらいありました。
入館したら最初に観て渋沢栄一という人物をおさらいしておきましょう。
少年期の藍葉の目利きや、父・市郎右衛門の代わりに代官所へ出頭したときの話など、有名エピソードも盛り込まれていました。
映像には手話もついています。
渋沢栄一アンドロイド
渋沢栄一アンドロイド講義は2階の講義室で行われます。
時間になると講義室を開放し、スタッフがチケットを確認し入場します。
渋沢栄一先生がいらっしゃいました!
こちらのアンドロイドは70歳代の栄一を再現したものだそうです。
(ちなみに同じく深谷市にある「旧渋沢邸 中の家(なかんち)」のアンドロイドは80歳代)
まるで本物の人間が立っているかのような存在感…!
アンドロイド講義 スケジュール
まもなく進行・解説役の職員さんがついて講義開始。
主な構成はこんな感じ。
- 職員による解説(この段階ではアンドロイドはしゃべらない・身振り手振りのみ)
- アンドロイド講義(道徳経済合一説・約8分)
- 職員による質問形式でのアンドロイドとの会話
最後にアンドロイドの写真撮影ができる時間を設けてくれます。(同時に解散・退室可)
明確なスケジュールが伝えられるわけではありませんが、いずれも7〜8分ほどです。
予約フォームなどでは所要時間60分と案内されていましたが、だいたい30分くらいでした。
今回は平日の早い時間で参加者も僕含め2〜3組程度だったからかもしれません。
渋沢栄一アンドロイドについて
最初の職員による解説では、この栄一アンドロイド自体のことを説明してくれました。
双子のように実在の人物そっくりのアンドロイドをジェミノイドと呼ぶそうです。
このジェミノイド、現時点ではほとんど研究用のものしか存在しておらず、一般の人が見ることができるのは貴重なのだそうです。
音声は残っている当時の講演での肉声を解析し、似た声の声優による声を録音・編集して音声をあてているとのこと。
館内2階、資料室を出たあたりに渋沢栄一の実際の肉声が聞けるコーナーがあるのですが、比較すると結構再現度高いと思いました!
内容よりもアンドロイド自体のクオリティをまざまざと見せつけられますが 笑、いたずらに動きを強調するものでなく自然でよかったです。
内容はちょっと難しく、大人向け
内容は渋沢栄一を語る上では外せない「道徳経済合一説」を語るもの。
この「道徳経済合一説」の講演は実際に1923年に行われました。
僕が訪問した2023年はそれからちょうど100年ということになります。
実際の講演をモデルにしているだけあって、内容は本格的。
しかし、やはり話す内容は少し難しいです。
現代風にテキスト化されたものが深谷市のホームページに載っています。
実際の講義だと古風な表現も多く、一般の人からしたらいまいちどのようなことを話しているのかは伝わりづらいです。
内容・雰囲気ともに大人向けです。
施設全体にいえることですが、個人的には子連れにはあまりおすすめしません。
子供に渋沢栄一のことを楽しみながら学ばせたいなら、「旧渋沢邸 中の家」のアンドロイドの方がおすすめ。
こちらの方が映像がセットなので賑やかですし、途中で気軽に抜けられるからです。
また、「中の家」の方では子供向けのわかりやすいパンフレットもありました。
「旧渋沢邸 中の家」の記事はこちら↓
ちなみに後半の職員とアンドロイドの質問形式の会話では、この「中の家」を含む栄一関連施設と深谷の郷土料理・煮ぼうとうを紹介するという、完全に単なる深谷市の宣伝コーナーでした 笑。
資料室には栄一ゆかりの物品を展示
資料室は受付の左側にあります。
この日は開館してすぐの9時過ぎくらいの時点で団体客が多くいましたのでアンドロイド講義の後に入室。
やはり渋沢栄一に関する物品が多く展示されていました。
特に印象に残ったのは藍の番付表や、栄一の写真の中でも有名な「青い目の人形」を復刻したもの、栄一本人による書や手紙など。
あと深谷市の渋沢栄一関連施設を図示したジオラマなんかもあって立派でした。
入り口から室内をぐるっと反時計回りに一方通行で進み、中央には螺旋階段。2階にも少し展示があります。
2階にはドラマ・青天を衝けの台本や出演俳優のサイン、そのほかに栄一の講演を録音したと思われるレコードなどがありました。
最後に資料室入ってすぐのところにある、論語の里維持管理協力金の募金箱があったので募金しました。
50円を募金して栄一アンドロイドステッカーを受け取りました。
その他館内展示
資料室とアンドロイド講義が主となる渋沢栄一記念館ですが、通路の至る所にも展示が並んでいます。
簡単に写真を載せていきます。
資料館の前、映像視聴スペースの横には群馬県の富岡製糸場の設立に携わった3名のレリーフが。
左から渋沢栄一、栄一の従兄で富岡製糸場の初代場長となる尾高惇忠、建設資材の調達に奔走した韮塚直次郎。
全員深谷市の偉人です!
2階も講義室以外はほぼ通路といった感じですが、少しだけ資料や絵画が飾ってあります。
「青淵図書」として、渋沢栄一や埼玉県の歴史に関する本が自由に読めます。
アンティーク風のイスやベンチに座ってアンドロイド講義までの待ち時間を過ごすのにはちょうどいいでしょう。
大きめの年表。
2階の資料館を出たところに栄一の肉声が聞けるコーナーがあります。
レコードの音声をテープに吹き込んだものだそうです。
こちらはアンドロイド講義のモデルとなった「道徳経済合一説」の講演のもの。
聞き取りづらいですが、隣に貼ってあるテキストで話していたことを確認できます。
アンドロイド講義の復習にどうぞ。
時間があれば施設の周りを歩いてみましょう
見学を終えたら少しだけ建物の周りを散策してみましょう。
平成29年、当時の天皇皇后両陛下が来館された際の記念樹があります。
建物の裏に回ると、大きな渋沢栄一像があります。
デカい。
そしてなぜ裏側にあるのでしょうか。
説明書きによると、もともとは深谷駅の前にあったようです。
平成7年にこの記念館ができるのに伴い、移設されたようですね。
なおさら裏にある意味がわかりません…。
記念館の裏には小川が流れており、のどかな風景が広がります。
並木のあたりが青淵公園。
青淵公園は旧渋沢邸「中の家」まで続く東西に長い公園です。
渋沢栄一記念館から旧渋沢邸「中の家」までは徒歩圏内。10分ちょっとくらいでしょうか。
過ごしやすい時期にはお散歩するのもおすすめです。
まとめ:ちょっとだけ予習してアンドロイド講義の見学がおすすめ
渋沢栄一記念館は深谷市の渋沢栄一関連施設の中でも中心的な存在です。
ですが、渋沢栄一を全く知らない状態でゼロから行くよりは少しだけ予習してから行くのをおすすめします。
予備知識がある状態で行けばより理解が深まりますし、退屈しないはずです。
また、行くならアンドロイド講義は予約して見学しましょう。
他の深谷市内の関連施設と合わせてぜひ訪れてみて下さい。
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