深谷市の偉人といえば、渋沢栄一ですよね。
2019年に新一万円札の顔となることが決定し、2021年には大河ドラマでその生涯が描かれ話題に。
その渋沢栄一の生地である、旧渋沢邸「中の家(なかんち)」に行ってきました。
8月にリニューアルされ新たに内部に入れるようになった「中の家」の様子をレポートします!
旧渋沢邸「中の家」について
「中の家」は、渋沢栄一が23歳の頃に京都へ出るまでを過ごした元住宅です。
厳密には一度火災で失われており、現存する建物は栄一の妹夫婦が明治28年に新たに建立したもの。
「中の家」という呼び名は渋沢一族の家の位置関係からつけられた通称なのだそうです。
栄一が帰郷した際に滞在したことで知られ、埼玉県指定旧跡に指定されています。
以前は外から内部を覗く形での見学でしたが、2023年8月にリニューアルオープンし、資料館として中に立ち入れるようになりました。
広い庭に立派なお屋敷
立派な門を潜って敷地に入ります。
左の「青淵翁誕生之地」の石碑の文字は文豪・幸田露伴によるものだそうです。
「中の家」は主屋・副屋と4つの土蔵からなります。
門から真正面にあるのが主屋、右手に土蔵。写真では見えませんが右手前の道路側に副屋があります。
大きな庭もあり、立派な建物が並ぶ広い敷地はやはりお金持ちの農家だったんだなと思わせます。
主屋の入館受付へ
主屋内部の見学の前に入館受付をします。
門を入ってまっすぐ行くと主屋があり、そこで係員の方が案内してくれます。
受付といっても受付簿の方に
- 住所(市区町村まで)
- 来場人数
を記入するだけ。
それだけ記入すれば、いざ入館!
リニューアルオープンということで、お祝いの胡蝶蘭がたくさん飾られていました。
和室によく合いますね!
パンフレットは自由に持っていって大丈夫です。
特に小中学生向けのパンフレットは、渋沢栄一のことや「中の家」のみどころが簡単にまとまっていて大人にもおすすめです。
ビニール袋がもらえるので、脱いだ靴を入れてあがりましょう。
靴は持ち歩くことになります。
なお館内の写真撮影は基本的には可能ですが、映像と一部の展示(芸能人のサインなど)は撮影禁止となりますのでご注意ください!
目玉はやはり渋沢栄一のアンドロイド!
やはり館内でいちばんインパクトがあったのがこの渋沢栄一のアンドロイドでした。
ここでは映像を観ながら80歳代の栄一アンドロイドが半生を語ります。
映像と語りのテーマは4つ。
- 論語から学ぶ人生
- 商いのこころ
- ふるさとの仲間たち
- ふるさとから世界へ
論語や家業であった農業や養蚕、家族についてなど、その後の渋沢栄一のルーツとなったことを思い出話のように聞かせてくれます。
身振り手振りを交えた動きはとてもリアルでした。
全く渋沢栄一を知らない人でもそれなりに人物を理解できるのではないでしょうか。
タイトルとオブジェに手をかざすと映像が始まります。古い建物なのに中はハイテク!
ちょっと狭いですが結構座席もあります。16席くらいですかね。
大河ドラマ「青天を衝け」で使用された小道具類も!
渋沢栄一の生涯が描かれた2021年の大河ドラマ「青天を衝け」で使用された衣装やセット・小道具類も展示されています。
以前「渋沢栄一 青天を衝け 深谷大河ドラマ館」にも展示されていたものだと思います(大河ドラマ館はすでに閉館しています)。
僕はつい最近になって渋沢栄一に興味を持ち、後追いで「青天を衝け」を観ているので、ここに残しておいてもらえたのはありがたいですね。
1階には世界観を感じられる小さなセットとともに様々なアイテムが飾られています。
この藍の番付表はあくまで撮影同等品とのことですが、よくできていますよね。
僕のような素人じゃ本物の歴史的資料と言われても信じてしまいそうです 笑
2階には小型の小道具がショーケースに収められています。
ここに展示されているものは全て実際の撮影に使用したものです。
どれも印象に残る品々なので、ドラマのワンシーンが目に浮かぶようです。
綺麗に整備された座敷
リニューアルしたので、座敷も綺麗に整備されています。
落ち着きのある快適な空間。寝転がりたくなります(もちろんダメです)。
こちらが晩年の栄一が帰郷時に過ごしたとされる上座敷。
パンフレットによると、「中の家」を継いだ渋沢市郎による計らいで、栄一が帰った際に快適にくつろげるようにこの上座敷の上には蚕室を設けずに天井を高くしたのだそうです。
渋沢家は養蚕農家だったので2階部分は蚕を飼育するための蚕室になっていたんだって!
素晴らしいおもてなしの精神!
ていうかそこまで見てなかった!これから行く方はこの上座敷の天井にもぜひ注目です。
部屋のあちこちに「中の家」に関する説明書きがあります。
縁側は立ち入り禁止ですので注意!
座敷から覗くだけで我慢しましょう。
2階にも一室だけ座敷がありました。
こっちは襖や床の間の物入れ(上の部分を「天袋」、下の部分を「地袋」と呼ぶらしい)に意匠が施してあって華やかですね。
その他のみどころ
煉瓦製カマド跡。入り口から入ってすぐのところにあります。
今回の改修工事の際に新たに見つかったものらしいです。
日本煉瓦製造株式会社によって製造されたことを証明する「上敷免製」の刻印が入ったレンガ。
新紙幣の偽造防止策やデザインに関する資料も展示されていました。
2階はもともと蚕室だったからか、一部屋が大きく取られています。
養蚕農家の家の屋根は「高窓」とか「越屋根」などと呼ばれる、採光・換気機構があるようで、「中の家」もそのような構造になっているそうです。
撮影禁止とのことなので写真はありませんが、この他に大河ドラマに関わった俳優のサインも飾ってありました。
まとめ
渋沢栄一の生地として歴史的な価値のある建造物ですが、単純に古き良き日本の建物を楽しみたい人にもおすすめできます。
全く渋沢栄一のことを知らなくても、これから興味を持ってもらうきっかけにはなると思います。
喋るアンドロイドや印象的な大河ドラマの小道具など、子供をひきつける要素もありますし、親子で社会科見学的に訪れるのもおすすめできます。
偉人・渋沢栄一を身近に感じられる旧渋沢邸「中の家」、ぜひ行ってみてください!
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